暑い日のお楽しみ

エーアンドデイ 放射温度計 ブルー AD-5617

エーアンドデイ 放射温度計 ブルー AD-5617



最近買ったモノでもっとも面白くて、役に立っている放射温度計。ワンクリックで、ほとんどあらゆるものの温度を瞬時に測れる。暑い暑いといいながら、道路、自宅の壁、車のハンドル、ティーグラウンドなど測っては「ほら、やっぱりね。アハハハ」などと言うためのツール。とはいえ、天ぷら油の温度計測はもちろん、釣りの時にも使うらしい。防水仕様もある。夏休みに子どもと遊ぶのにもいいかもしれない。これはおすすめ!

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書評はHONZに移動しました。

青木薫の「科学者は自らの学説に殉じるべきか」

HONZに寄稿いただいている「青木薫のサイエンス通信」の最新記事は「科学者は自らの学説に殉じるべきか」ガリレオをテーマにした戯曲をかいたブレヒトを論じたニューヨーカーの記事についての論考である。結語は「今日的な科学者の社会的責任といった文脈からすれば、がらりと違ったニュアンスを帯びる大きなテーマになる」と。素晴らしい!

まさに生命科学の最先端や、物理学における人間原理など、既成宗教などとの関わりあいだけではない、新しい哲学の創生を促し、求めるような自然科学の蠢きがある。いっぽうでガリレオはボクにとって最高位の科学者である。その存在はニュートンアインシュタインを超えると思う。そんな感慨も持ちながら青木さんの寄稿文を読んだ。

こんな面白い文章は、自画自賛ながらHONZならではだと、つくづく思う。

庶民を装った挙句に墓穴を掘る

青木るえかが某週刊誌の書評欄で、中野翠の『歌舞伎のぐるりノート』をクソミソに書いている。冒頭から「大人のたしなみとして歌舞伎を見ておいたほうがいいのか、と考えることがある。そこでまずはテレビの舞台中継など見て、ただちに挫折した」そして最後は「でも、やっぱり中野翠の筆致には「お前らにはわからん」という空気が少し、でも確実にあると思う」。

まあ、どうでもいいけど、こんな書評を載せるのは如何なものかと。Amazonで良く見る「いい本かもしれませんが、難しくて自分には理解できなかったので星1つです」という、著者にとっては迷惑というか、もうただただアホらしくなるレビューとほとんど違いがない。逆に実名でこんなアホな書評書いて大丈夫なのかとも思う。

ともあれ、中野翠の『歌舞伎ぐるりノート』のボクのレビューはこちら。
http://honz.jp/25158

NEWSWEEK 6・4号

今週号のNEWSWEEK日本版のP17「面白過ぎるヨーロッパ相関関係」が面白過ぎる!イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、ギリシャポーランドチェコの国民に「最も信頼できる国」「最も信頼できない国」「最も謙虚な国」「最も傲慢な国」「最も思いやりのある国」「最も思いやりのない国」という質問をする。回答は自国を含めてOK。で、その回答は・・・もうね、立ち読みしてらっしゃい!無茶苦茶面白い!イタリア人、最高!あはははは。

ちなみにイタリア人の答えは「最も信頼できる国ードイツ」「最も信頼できない国ーイタリア」「最も思いやりのある国ーイタリア」「最も思いやりのない国ードイツ」EU経済の混乱とEUの歴史とEUのそれぞれの国民性と、イタリアという超長くてじつは超短い歴史を持つ国と・・・ともかく面白過ぎる。

あまり知られていないことだが、イタリアが統一されたのはつい最近の1860年のことだったのだ。

それとは別の話だが、NHKの「旅のチカラ」がスゴイ。草刈民代にはヴェネチアのコンメディア・デッラルテに挑戦させ、夏木マリにはドイツのピナ・バウシュのダンスに挑戦させる。ダンサーに演劇を、女優にダンスを。すばらしいセンス。この番組は毎週録画して見るべき。本を読んでる場合ではないかもしれない。

殺人に対する感覚の違いー中国

http://www.asahi.com/international/update/0508/TKY201305080659.html

この北京での異例のデモは安徽省出身の女性の変死がきっかけだったという。発端は北京の警察が、地方出身者が殺害されたことに対応しなかったということだといわれる。しかし、これは氷山の一角でしかないのかもしれない。

最も信頼している中国を専門とするジャーナリスト富坂聰氏の著作『ルポ中国「欲望大国」』によれば、2008年5月の『法制晩報』に身元不明遺体に関する情報を求める広告が掲載されていたという。広告主は北京市公安局朝陽分局、すなわち北京市朝陽区の警察だ。

公表されていたのは04年から07年までに発見された身元不明死体だったが、06年と07年の2年間だけでも35体もあり、そのうち12体がバラバラ死体だったというのだ。もちろんこれは朝陽区内で発見された遺体だけだ。嬰児と女性がほとんどだったという。ちなみに北京には朝陽区の他に15の区がある。

バラバラ死体が1体でも出てきたら先進国では国をあげて大騒ぎになるはずだ。07年の北京市における殺人の検挙率は11%。この感覚の違いについて良く噛み締めてみる必要があるかもしれない。

成毛眞の「これって暴論?」第5回


日本を・江戸時代化・する兵器 

朝鮮半島をめぐる緊張が日増しに高まってきている。朝鮮戦争は1950年6月に北朝鮮軍が北緯38度線を越えて開戦、戦線は一進一退し53年7月に休戦協定が結ばれた。この3年間の戦争による犠牲者は中国軍兵士100万人を含め、兵士と市民を合わせ400万人から500万人に上ると推定されている。

その休戦協定を白紙に戻すと北朝鮮が3月11日に宣言したのだ。3月6日付の朝鮮労働党の機関紙は、最高司令部の声明として「われわれは多様化した精密な核攻撃手段で、ソウルだけでなくワシントンまで火の海にする。準備は整っており、金正恩第一書記の命令だけを待っている」という記事を掲載した。3月8日の朝鮮中央通信は「米国とその追従勢力の本拠地を跡形もなくする万端の準備が完了した」とする論評を伝えている。

この北朝鮮が考える「追従勢力」に日本が入っていてもおかしくはない。万が一にも北朝鮮が東京に向けて「精密な核攻撃」ができるミサイルを発射した場合、7〜8分で東京上空に達する。自衛隊と米軍はミサイル防衛に自信を持っているとされているが、はたしてその弾頭がEMP爆弾だったら迎撃は可能なのだろうか。

米国のテレビ局ABCや朝鮮日報は、北朝鮮がEMP爆弾の開発に成功したのではないかと伝えている。このEMP爆弾は目標の数百・上空、空気のない熱圏で作動する最先端核兵器だ。高度50km以下の成層圏に到達した大量のガンマ線は空気分子に衝突し、コンプトン効果により大量の電子を叩きだす。この電子が地上に降り注いで、電線にサージ電流を発生させ、電子装置やネットワークを破壊するというものだ。影響は半径500kmに及ぶ可能性がある。

この爆弾には直接生物を殺生する能力はないが、防衛システムだけでなく、民間のコンピュータも通信システムも破壊されるため、金融も物流も交通も完全にストップしてしまうことになる。攻撃を受けた側は数年間にわたって、反撃どころか100年以上前の社会に引き戻されてしまうのである。

北朝鮮が日本を攻撃する場合、東京から大阪の間の適当なところに向けてミサイルを発射し、高度100km以上の上空で爆発させるということになるだろう。この弾頭を付けたミサイルに精密誘導技術など不要なのだ。つまり、最悪の場合、一発の貧者のミサイルとEMP爆弾で日本の社会システムは江戸時代にまで引き戻されることになる。日本経済の破綻は世界経済破綻の引き金にもなるだろう。

ともあれ、このミサイルを防ぐためには発射から1〜2分以内の上昇期に破壊する必要がある。ミサイルが目標高度の数百kmに達した場合、それを確実に破壊する迎撃兵器は存在しない。日本人は太平洋戦争から、相手を見くびってはいけないということを学んだ。そして、東日本大震災からは、完全に想定外のことも起こりうるということも学んだはずだ。

万が一にも北朝鮮によるEMP爆弾搭載のミサイル発射がありうるなら、対策を立てておかねば――そんな心配は杞憂にすぎないのだろうか。
クーリエ・ジャポン 6月号掲載)

『立花隆の本棚』

立花隆の書棚

立花隆の書棚

『ノンフォクションはこれを読め!−HONZが選んだ150冊』、『面白い本』と立て続けに「本の本」を出版してきたHONZだが、この「本の本」には驚いた。なんと本文650ページ、うちグラビア写真188ページ、厚さ5.2センチ、重さ875グラムで3000円なのである。1グラム3.43円。1ページ4.6円だ。これで「知の巨人」立花隆の本棚をじっくり見せて貰えるのだからまさにお買い得だ。

本書の制作にあたってははまず写真が撮られた。しかも書棚1段1段をレーザー墨出し器を使って計測し、精密撮影したうえで全景を合成するという、非常に手間のかかるマニアックな手法で撮影された。あまりに膨大な蔵書のため、1万回にわけて撮影されたという。1カットに20冊が写り込んでいるとして、その数20万冊。御年72歳の立花隆が1歳から本を読み始めたとして(たぶん読み始めたのだと思う)毎年2800冊ほどの本に目を通したということになる。1日にして8冊弱である。

で、その写真を見ながら立花隆が語り起こしたのが本書なのだ。有名なネコビルの1階を第1章とし、その後ネコビルの2階、3階、地下1階と2階、階段、屋上、3丁目書庫+立教大学研究室の7章建てだ。ネコビル1階の第1章には40弱の小見出しが立てられているのだが、そのなかから少しだけ書きだしてみよう。「日本近代医学の始まり」「分子生物学はこんなに面白い」「フロイトはフィクションとして読む」「古本屋の商売」「嘘が面白い」「ブッシュの1日」「中国が原発大国になる」などなど、HONZの方向性が間違っていなかったことを証明できそうな羅列である。

立花隆の語りは本を1冊づつ説明するというのではない。テーマ毎に集積してある本を眺めながら、それに関連する薀蓄を尽くす。しかも、その間にグーグルによるテキストのデータ化と紙の本の将来予測やら、政治・経済の本は玉石混交だが圧倒的に石が多いことやら、自身の執筆スペースやらについても語っているため、本好きにとっては格好の読み物に仕上がっているのだ。

これだけの厚みがあっても、読み通すには時間がさほどかからないであろう。本書の読み方のおススメはポストイット付箋を表紙の見返しにつけておき、気になったところにどんどん貼り付けおくことだ。これからの買い物に役立つであろう。1ページ目から読み進める必要もない、面白そうなテーマを選んで読んでも良いはずだ。トイレに置いておいて、ともかく写真を眺めるだけでも良い。重いのだがバカンスに持って行って、海辺のパラソルの下で読むにもじつに向いている。

帯には「圧倒的な知の世界」とあるが、お気軽に手にとって日常のなかで楽しめる読み物であると、あえて言っておきたい。厚みはあるがけっして本棚の飾りでは終わらない本だ。えっ?立花隆では敷居が高いって?そんな方はとりあえず『ノンフィクションはこれを読め!』か『面白い本』をどうぞ。