殺人に対する感覚の違いー中国

http://www.asahi.com/international/update/0508/TKY201305080659.html

この北京での異例のデモは安徽省出身の女性の変死がきっかけだったという。発端は北京の警察が、地方出身者が殺害されたことに対応しなかったということだといわれる。しかし、これは氷山の一角でしかないのかもしれない。

最も信頼している中国を専門とするジャーナリスト富坂聰氏の著作『ルポ中国「欲望大国」』によれば、2008年5月の『法制晩報』に身元不明遺体に関する情報を求める広告が掲載されていたという。広告主は北京市公安局朝陽分局、すなわち北京市朝陽区の警察だ。

公表されていたのは04年から07年までに発見された身元不明死体だったが、06年と07年の2年間だけでも35体もあり、そのうち12体がバラバラ死体だったというのだ。もちろんこれは朝陽区内で発見された遺体だけだ。嬰児と女性がほとんどだったという。ちなみに北京には朝陽区の他に15の区がある。

バラバラ死体が1体でも出てきたら先進国では国をあげて大騒ぎになるはずだ。07年の北京市における殺人の検挙率は11%。この感覚の違いについて良く噛み締めてみる必要があるかもしれない。