Junkers J1 Wingnut Wings 製作記 その1

ユンカースJ1は世界初の全金属製の航空機だ。航空技術はライト兄弟の初飛行からたった12年でこのレベルに達した。J1は試作機として開発されたのだが、バージョンアップを重ねJ4になったところで、ドイツ軍に制式採用された。ドイツ軍での呼称はJ1である。したがって、いま作ろうとしているモデルは開発呼称としては量産型のJ4ということになる。


ウイングナット・ウィングスのキットは複葉機とはいえ1/32なのでかなり大きい。でき上がったらどこにおいておこうかと今から悩んでしまう。パーツは良くできていて合いも良い。ヘタに仮組みすると部品同士がぴったりはまって取れなくなってしまうほどだ。


例外は胴体と下翼の合いで、多少の削り作業が必要となる。そのためコックピット内の塗装は下翼を接着後にしたのだが、これが間違いだった。エンジンルームとコックピットの隔壁があとからでは非常にはめにくいのだ。説明書どおりの手順をお勧めする。


機体を塗装する前にエンジンの組み立てと塗装を行った。エアーブラシの清掃が面倒なので筆塗りだ。初心者でも1−2時間の作業であろう。エンジンだけでも出来上がると嬉しいものだ。いわゆる「素組み」であり、プラグコードなどは追加しない。複葉機ではエンジンだけをやたら精密化しても、そもそも実機がラフなので釣り合わないような気がする。


翼は上下を張り合わせるのだが、まずは濃い接着剤を縁から5ミリ位のところまで両面にラフに塗る。ある程度乾いてから張り合わせるのだが、このとき張り合わせ面に流し込み接着剤を毛管現象を利用して少し多めに流し込む。指で押さえると中から接着剤がプラスチックを溶かし状態ではみ出してくる程度だ。これで隙間は完全に埋まるので、あとからパテで穴埋めをする必要はなくなる。


ヤスリはベニヤ板に紙やすりを両面テープで貼り付けた自作のものと、スリーエム製のスポンジやすりを併用する。まずははみ出した接着材とモデルナイフの腹でこそげとる。次に紙やすり板を使って平面を出す。最後にスポンジやすりで曲面を出すという順番だ。繰り返しだが複葉機なので、かなり適当でも良いはずだ。これが最新のF22戦闘機だと、モデルでも厳密な曲面を要求される。


ここまでで使った道具はプラモデル用ニッパー、アートナイフ、紙やすり、スポンジやすり、接着剤、筆と目玉クリップだ。この100円ショップで売っている懐かしい目玉クリップは必須だ。写真のように張り合わせにも使えるが、塗装するときに部品をはさんでそのまま乾かすという用途にも使える。他のクリップでは強さや角度が合わない。

次回はコックピット内を完成させる予定。