「本のキュレーター勉強会」開催のお知らせ

自称・他称を問わず、じつに多くの「書評家」が書籍の評論、すなわち書評を書いている。文学者、評論家、大学教授、ジャーナリスト、アマゾンなどのレビュアー、ブロガーの読書日記も立派な書評であろう。デジタル大辞泉によれば「評論」とは「物事の価値・善悪・優劣などを批評し論じること」だから、書評とは批評である。さらに同辞書によれば「批評」とは「批評は良い点も悪い点も同じように指摘し、客観的に論じること」とされている。すなわち、書評とは対象とする本の良い点と悪い点を併行記述して成立することになる。

いっぽうで多くの人が書評を購入ガイド、またはダイジェストとして読む。価格に見合う良書を探したいのである。話題の本でも時間がないので、要約だけでも知りたいと書評を読むことがあるだろう。これらの人々にとって本当に役に立つのは、1人の書評家が選び抜いた「おすすめ本の書評」であり、その書評は簡単な要約にもなっていることである。このような書評家は「評論家」ではなく、美術館のキュレーターのような存在になるはずだ。本の目利きといっても良いかもしれない。

インターネットの発達のおかげで、この「本のキュレーター」が存在できるようになってきた。この勉強会の目的はその「本のキュレーター」を目指すことにある。もちろん「本のキュレーター」という職業があるわけではなく、生業にすることは困難であろう。しかし、読書が趣味である人にとっては、気合の入った読書記録を残すという意味もあろう。読みっぱなしにしない読書会として参加いただけるだけでも幸いである。


「本のキュレーター勉強会」概要

期間:2011年1年間
開催日:2011年の毎月第1水曜日(1月は第3水曜日。8月を除く全11回)
1月19日、2月2日、3月2日、4月6日、5月4日、6月1日、7月6日、9月7日、10月5日、11月2日
時間:午前7時から午前9時までの2時間。(個々に朝食をとりながらの受講も可)
場所:株式会社インスパイア会議室(赤坂溜池交差点近く)
受講料:無料
募集定員:8名
講師:成毛眞


参加条件:
年齢・職業・読書分野は不問。(出版関係者も参加可能)
2010年に年間最低30冊の書籍を読んでいること。うち半分は新刊であること。
ブログを開設していること。または受講開始までにブログを開設できること。


勉強会の進行:
講師より毎月1冊の課題図書を提示します。
参加者は課題図書についての書評を3週間以内に各自のブログにアップ(書評そのものを比較しながら、テクニックを磨く)
参加者は課題図書以外の新刊を各自毎月1冊選び、書評を各自のブログにアップ(本を選択する技術を磨く)
1回の書評は1000字以上。スタイルは自由。(成毛眞ブログの『選択の科学』が2000字。 http://bit.ly/hEJ7ff
当日はブログに対して互いに質問・論評する予定。


応募要項:
2010年12月25日までに参加希望メールを下記アドレスまで送ってください。


参加希望メールには「氏名」「職業」「年齢」と「2010年に読んだ新刊本おすすめトップ10書名リスト」および「2010年ナンバーワンのおすすめ本の400−800字の書評」を本文テキストとして書いてください。


応募者多数の場合は上記書評などで合否を判定します。そのうえで、1月5日までに合否および2月の課題図書名を通知します。(1月19日はオリエンテーションと自己紹介のみ)


その他:
著作権は参加個々人に属します。
課題図書は参加者各自で購入または図書館などから借りてください。
課題図書は科学、歴史、評伝、美術・音楽、経済などのノンフィクションのみです。小説やマンガなどの創作物はとりあげません。
ブログ名やデザインはもちろん自由です。
尚、定員に達しない場合は中止することがあります。

参加希望メールの宛先は
info@inspirecorp.co.jp
かならず件名に「本のキュレーター勉強会」参加希望と書いてください。