Curtis Fuller / Blues-ette

ブルースエット

ブルースエット

最近は気心の知れた決まった店にしか行かないが、JAZZレコードを集め始めた頃はそれはまぁ国内外いろんな店を回ったものだ。その当時、中古レコード、それもJAZZ廃盤をメインで扱う店の店主はなぜか万国共通で偏屈が多かった。

売店なのに一見さんお断りとでもいうのか、あんた何しに来たの?とばかりに無言で一瞥くらわして、いらっしゃいませの言葉もない。壁面に飾ってある廃盤を眺めてみれば、時代でくすんだカバーのオリジナル盤から後光が差している。そんな盤に付けられている値段には目が眩むばかり。

お預けをくらった犬に成り下がった気分をなんとか奮い立たせ、安そうな国内盤のえさ箱あさって適当に数枚カウンターに持っていき、店主の顔色を窺いながら買わせていただく・・・大久保にあった今は無きV店の番頭さんなどは、常連とおぼしき人と電話で楽しそうに話す片手間で私の精算をしてくれた。そんな高飛車な店に限って、ディスクユニオンのような大型廃盤店(?)ではお目にかかれないミントなレア盤があるから結局我慢するしかなかったのだ。時はバブルの頃。とっても悲しい思い出である。

いくら閉鎖的なJAZZ村社会でも、常連相手の殿様商売が続く訳がない。流石に今はそんな偏屈店は随分淘汰されてしまった。淘汰されてしまうような店は、大概最後はインターネットに仕入れを頼るようになる。足で稼ぐ仕入れの経費がケチれるから。そうなったらもうお終いで、途端に品揃えのレベルが目に見えて落ちてくる。

廃盤レコードは限りある骨董品。コンディションと需給バランスで値段が決まり、店の品揃えで客層が決まる。コンディションがいい盤、人気がある盤は高くて当然。こればかりは仕方がない。骨董品なんだから。

今回は、Curtis Fuller / Blues-ette を紹介しよう。1959年の録音で、レーベルはSAVOY。A面1曲目の「Five Spot After Dark」は、タケダのアリナミンVドリンクのTVCFで使われていたことがある。超有名盤だけに人気が高く、私はこの10年程オリジナル盤にお目にかかっていない。このレコードに巡り合った時、店主が「この盤ないんだよなぁ」と本気で売り惜しんだことを覚えている。この店は今でもある真っ当な店だけど。

(JHS-JAZZ 山田)