個人消費を再計算

気になるので、日本のGDPに占める個人消費の割合についてさらに調べてみた。

GDP統計上、個人消費=民間最終消費支出には「生産・輸入品に課される税」が含まれている。この税の内訳は消費税、輸入関税、酒税、たばこ税、石油税、有価証券取引税等および地価税電源開発促進税、トン税、印紙収入等である。

財務省がまとめた平成20年度歳入内訳をみると消費税は10.7兆円、上記の各種間接税をまとめた「その他」は9.9兆円である。合計は約20兆円だ。平成19年のGDP確報値は563兆円だから、間接税はGDPの3.6%に相当する。

民間最終消費支出には「民間最終消費支出(除く持家の帰属家賃)」という補助項目があると昨日のブログに書いたが、内閣府による平成19年度の確報値によると民間最終消費支出は302兆円だが、持家の帰属家賃を除くと252兆円になる。このときのGDPは563兆円だから、民間最終消費支出(除く持家の帰属家賃)は44.7%となる。

この44.7%から3.6%を差し引いた41.4%が実質的な個人消費といえそうなのだ。563兆円のGDPの41.4%は213兆円だ。税率5%の消費税収が10.7兆円なのだから、これを20倍すると214兆円になりつじつまがあう。つまり個人が実際にお金を支払って買っているモノやサービスの総額=個人消費の比率は政府やマスコミが使っている56%などではなく、41%前後だと推定できるのだ。

これだと大阪府知事がいうように、個人消費を刺激するよりも、小学校の耐震化などのインフラ投資のほうが魅力的に見えてくる。