Warne Marsh Quartet
- アーティスト: ウォーン・マーシュ,スタン・リービー,レッド・ミッチェル,ロニー・ポール
- 出版社/メーカー: MUZAK,Inc.
- 発売日: 2006/12/22
- メディア: CD
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レコードに入っている音楽が書籍でいう文章ならば、ジャケットは表紙+カバー。日本盤のレコードだと帯まで付いているので、日本のレコードは正に音の出る書籍仕様である。帯は、日本独自の意匠で、「カラオケ」や「オタク」と同様、海外のレコードファンの間では「オビ」で通じる。海外で日本盤の人気は高く、オビの有無で値段が変わってくる。日本盤は音質こそ日本人の耳向けの仕様ではあるが、ジャケットは許諾権の範囲内でかなり忠実にオリジナル盤の仕様を復刻しようとするし、なによりレコード、ジャケットともコンディションがいい。昔の日本人はものを大事にしていた証左だし、日本はもともとJAZZ大国なのである。
私は、ジャケットのコンディションより、レコードのコンディションの方を優先する。一応コレクターの端くれでもあるのだが、私のJAZZレコードの楽しみ方はとにかく気持ちよく聴くことだからだ。聴くと共にジャケットを愛でる楽しみ方もあっていい。ジャケ買いによって新たなJAZZを知ることができることもある。 JAZZレコードに資産的価値を求めるのであれば、ジャケットのコンディションはいい方がいいに決まっている。レコードのジャケットは書籍の表紙と違って差し替えることができるので、同じレコードを何度も買い換えることによって、レコード、ジャケット共にビカビカのオリジナル盤を組み上げることなどはコレクターにしてみれば至極当たり前の行為となる。コレクターのこだわりと性は、凄まじく、かつ微笑ましい。
JAZZレコードは、レコードがジャケットに入れられて販売されるようになってからより一層、その時代背景を反映させ、文化的価値を高めてきた。BLUE NOTEのジャケットデザインなどは、最たる例であろう。その時代の最先端のクールさに満ち溢れているし、アンディ・ウォーホルが書いたジャケットまである。機会があれば、廃盤店に行ってみて欲しい。美術館の壁さながら、本物(オリジナル) が持つパワーに圧倒されることと思う。写真集もあるし、カバーアート(流石にジャケットアートというのはご勘弁を)からJAZZに入ってくるのも、それはそれでJAZZの楽しみ方の一つ。
今回は、アメリカ西海岸のModeレーベルからリリースされた「Warne Marsh Quartet」を紹介しよう。Modeは29枚のレコードをリリースして消滅してしまったレーベルで、このレコードは1957年9月の録音。クネクネした退廃的(?)なサックスはちょっと癖があるかもしれないが、一度聴いたら最後、このお茶目なジャケットを見ているだけで、音まで聴こえてくるような気がしてくるジャケットと中身が一致している不思議なレコード。私は大好き。