『ボーイング777機長まるごと体験』

毎月最低1冊はサイエンス・アイ新書を買ってしまう。今月はこの本だ。ボーイング777という最新機種を取り上げたことを別にすると、過去になんども登場した企画である。しかし、つい買ってしまったのは「成田/パリ線を完全ドキュメント」という副題がついていたからだ。もし、これが成田/ニューヨークだったら買わなかったかもしれない。JALのジャンボジェットのイメージだ。

内容は知っていたことばかりである。出発準備、離陸・上昇、巡航、進入・着陸と時系列に分類された軽い旅客機読み物だ。例のごとくカラー写真が1ページに1枚の割合で使われているため、文章とは別のイメージが湧いてくる。久しぶりに旅行に出ようかという気になる。編集に協力したとされるANAビジネスクラスが進化していることに気づかされた。そういえば、15年近く日本の航空会社で渡航したことはない。

日本の航空会社のサービスには「ねっとり」とした印象があって、これからビジネスで戦いに行くとか、いっぱいいっぱいのスケジュールで組んだミュージアム廻りなどの前奏曲には向いていなかった。とりわけJALには、1990年に終了した「兼高かおる世界の旅」や、1994年に終了した「城達也ジェットストリーム」そのままの雰囲気がいまも残っているような気がする。実際はどうなのだろう。いまだに妙チクリンなJAL英語で機内アナウンスしているのだろうか。

ともあれ、著者にはまことに申し訳ないが、海外旅行に行くときに成田で暇つぶし用に買って、渡航先で捨ててくるタイプの本かもしれない。