堀江ブログへの返信

堀江さんがブログで税制に関する思考実験を受けてくれている。ブログ間長文ツイッターをやってみよう。

http://ameblo.jp/takapon-jp/

まずデフレについてだが、デフレは進行するであろうという予測に賛成だ。理由は潜在成長率がマイナスだからだ。さらにその原因は少子高齢化である。つまり需要の減少傾向に歯止めがかからないのだ。そのためこれからの日本は外需にたよる以外に方法はないと思う。しかし急激な円安誘導は悪性のインフレ=スタグフレーションを誘発しかねないので、政府も日銀も打つ手は限られる。

また堀江さんの言うように、消費税率アップとデフレは相殺できそうな勢いである。1999年以降のGDPデフレータは年平均マイナス1%だ。1998年の名目GDPは505兆円で実質GDPは490兆円、2008年はそれぞれ507兆円と557兆円だ。名目GDPは変化はないのだが、実質GDPは13.7%も増えている。10年間で貨幣の価値が13.7%上がったと理解できる。つまり実質的に13.7%の利回りが銀行利回りに上乗せされていたことになる。

法人税率引き下げについては、賛否不明なのだ。現在280万社が法人税を申告しているが、そのうち黒字なのは29.1%だ。赤字は中小企業ばかりかというとそうでもなく、資本金1億円以下の中小企業で黒字会社は28.9%なのだ。つまり、企業の規模に関わらず70%の企業はそもそも法人税を支払っていないのである。

本論のベーシックインカム制度なのだが、以前このブログで検討したように財源が問題だと思ったのだが、ボクがちゃんと計算していないのかもしれない。このことについては、これからすこし時間をかけて真面目に考えてみることにする。

ここ数年は高等遊民のごとく政治経済から離れて暮らしていた。村上ファンド事件で裁判官が「『ファンドだから、安ければ買うし、高ければ売る』という徹底した利益至上主義には慄然とする」という判決文を聞いて「慄然」として以来、資産を食いつぶすがごとくの生活をしていたのだ。しかし、このままでは日本は本当にまずいことになりそうだと思えてきた。構造的な問題を膨大な国債残高にして次世代へつけ回しているだけに見える。なにかをするべき時期なのかもしれない。

ところでいまのところ、日銀だけが完全に機能している唯一の政府機関であることは間違いないと思う。白川総裁の会見だけは見逃すべきではないと思う。