Mel Tormé Swings Shubert Alley

メル・トーメ・スウィングズ・シューバート・アレイ

メル・トーメ・スウィングズ・シューバート・アレイ

我が家では「嵐」がまん延しているため、自宅でJAZZを流すことができなくなってしまっている。流すことができる時間は、家族が寝静まった深夜しかない。イヤフォンを使ってこそこそ聴くのはご免だし、眠いのを我慢してまでJAZZを聴きたい訳ではないから、最近はJAZZを聴いていない。

その分、「嵐」の曲がBGMになってしまっている。慣れとは恐ろしいもので、彼らのヒット曲のさび部分の歌詞とメロディーライン位は覚えてしまったが、カラオケ嫌いなので何の役にも立たない。5人のメンバーの名前も覚えてしまった。というより、覚えさせられたというべきか。

10/28に発売された「嵐」の新作DVD ”5×10 All the BEST! CLIPS1999-2009” が、11/9付DVD総合ランキングで初登場1位を獲得、3年半ぶりにミュージックDVD歴代最高初動売上記録を更新し、ミュージックDVDで初めて初動40万枚を突破したとのこと。超売れっ子である。次から次へと、日本の音楽産業をリードし続けるジャニーズ事務所の戦略って本当にすごい。

前置きが長くなってしまった。JAZZの話をしよう。

JAZZが登場して一世紀近くの間に様々なスタイルが派生してきたが、いまだにすべてのスタイルが生き続けている。ディキシー,ビッグバンド,モダン,フリー,ラテン,フュージョンと、時代のスタイルをリアルタイムに過ごして来た昔からの根っからファンだけではなく、それぞれのスタイルが新しいファンを獲得し続けているのだ。過去のJAZZを知らない世代にしてみれば、すべてのJAZZスタイルは新しい音楽スタイルなのである。

J-POPだって、JAZZの歴史が生んだ産物に過ぎないといったら、いささか乱暴かもしれないが、JAZZがPOPSのひとつのルーツであることはまぎれなきこと。「嵐」の櫻井君のラップだって、ある意味JAZZが生み出したようなもの。今は
JAZZを聴かなくても、既に誰もがJAZZの洗礼を受けているのだ。今、好きな音楽をちょっと掘り下げてルーツをたどってみれば、必ずJAZZにたどり着く。たどり着いたら、ちょっとしたきっかけで、誰もが虜になってしまう可能性を秘めている音楽なのである。私の拙い文章で、JAZZ好きになってくれる人がいたら、これほど嬉しいことはない。

今回は、Mel Tormé Swings Shubert Alley を紹介しよう。レーベルはVERVEで、1960年の録音。彼は、フランク・シナトラと並ぶほどのヴォーカリストなのだが、日本での知名度は低い。それは、彼がJAZZ VOCALISTに徹していたからかもしれない。軽妙洒脱とは彼のことを言うと思う。とにかく、COOL!カッコイイ!楽しい!名作である。ウキウキワクワク、大人のための大人のJAZZ。

(JHS-JAZZ 山田)