Ray Bryant Alone at Montreux

夏!真っ盛り!!と書きたいところだが、今年は(今年も、か)どうも勝手が違う。梅雨明けしたにはしたらしいが、夏の青空と入道雲には殆どお目にかかれていない。気温もそれほど上がらない割には、蒸し暑さはひとしお。これじゃ、海でビールっていう気分にはならない。うれしいことに、今日は、久々の快晴。気持ちのいい海風が吹いているけど、この気温で海に入ったら風邪を引きそうである。もう初秋のようだ。

夏といえば、野外音楽フェスティバル。今や、日本各地でさまざまな音楽フェスティバルが楽しめるようになってきた。まちおこし、人集めが目的のイベントなら、クラシックでも、演歌でも、J-POPでもよかろうにとも思うが、ストリート・フェスティバルというスタイルなら、やっぱりJAZZってことになるらしい。

なんとなくオシャレで、スノッブな庶民向き音楽ということなのか、日本って、この街って、こんなにJAZZが盛んだったっけ?と思うくらい、開催中はそれなりにJAZZファンだけでなく、にわかJAZZファンでにぎわっているようだ(少なくとも私の住む街では)。この成果は主催者側の熱意の賜物であることは間違いないが、ストリート・フェスティバルの場合は、その地のお役所がJAZZにそれなりの理解を持っていなければおぼつかない。

その割りに、ジャズの裾野が拡がっているような気はしないのは私の杞憂なのだろうか?フェスティバルを通して、JAZZに興味を持ってくれる人が増えている筈なのだが、大手CDチェーン店におけるJAZZコーナーのスペースは減る一方。JAZZバーやJAZZ喫茶が増えた話など聞いたことがない。

結局、各地のジャズ・フェスは、その地区の少数のJAZZファンの道楽の域を脱せないのが現実なのか。JAZZに経済振興効果を望むのであれば、官の政策として徹底的にやってみたらどうだろう。間を埋めるためにJAZZを使うような真似は、JAZZ振興にとっては逆効果だと思うのだが。JAZZ文化と地域経済が直結した街。どうでしょう、グローバルかつクールでしょ?市長。

今回は、Ray Bryant Alone at Montreux を紹介しよう。原盤のレーベルはAtlantic。1972年、スイスのMontreux Jazz Festivalでのソロ・ピアノ・パフォーマンスのライブ。彼は、Oscar Peterson の代役として急遽この年のMontreux に出演した。ソロ・ピアノのレコードで面白いものは少ないのだが、彼独特のブルージーなプレイに引き込まれる。彼は、Carmen McRae の唄伴をやっていた。唄伴やってたピアニストが奏でる音色には、BLUESっぽいソウルが漂う。

(JHS-JAZZ 山田)