『破局噴火』
- 作者: 高橋正樹
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2008/09/26
- メディア: 新書
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ところが、この破局噴火というのはじつはとんでもない代物なのだ。地球最大級の破局噴火は5万年に1回の割合で起きるのだという。もし、これが火山の巣であるスマトラ島で起こると、噴煙は3万メートルに達し、その直径は1000キロを超えるらしい。発生した火砕流はマラッカ海峡とインド洋北部まで達し、海は厚さ数十センチの軽石で覆われることになる。東南アジア・インド亜大陸も火山灰で覆われ、一ヶ月以内に数億の餓死者がでると予想される。
じつはここからがすごい。噴火物で地球が長期的に覆われるため、温帯の平均気温は12度も下がる。そのため、あらゆる国で農業は壊滅する。この冷夏は6年続くのだという。こりゃ、だめだ。人類は壊滅するであろう。しかも、この破局噴火はかならずいつかは起こるのだ。明日、地球上のどこかで前兆が見られるかもしれない。たしかに「秒読みに入った」として防災意識を高めておく必要がある。
じつはこの本は2002年に出版されたSF小説『死都日本』を意識して出版されたらしい。この小説は当時、きわめて正確な火山学的な知識に基づいて書かれており、物語としてリアルに描ききっているため、のちに刊行を記念して学術シンポジウムが開かれたという。5年前に読んだ『死都日本』については別の日のブログで紹介してみよう。