The Lester Young - Teddy Wilson Quartet / Pres and Teddy

Pres & Teddy

Pres & Teddy

とにもかくにも日本ではピアノ・トリオ好きが多い。時に優しく、時に激しいメロディーラインを奏でるピアノの音は、日本人の琴線に触れやすいのだろうか。ピアノ、ベース、ドラムスで構成されるピアノ・トリオは、聴きやすく、そのくせ奥深い、JAZZの基本形。勿論、サックス・トリオや、ギター・トリオのレコードも結構ある。

JAZZのTrioとは、一人の好士より三人の愚者ではなく、一人の好士(リーダー)を二人の賢者がバックアップする編成である。シーンによっては、好士が交替したり、三人の賢者になったりするのがトリオの面白いところ。

Quartet(四重奏)は、ピアノ・トリオに管楽器が加わった編成が多く、日本ではワンホーン・カルテットと呼ばれる。この場合、リーダーはメロディーを奏でる管楽器奏者であり、ピアノはリズムセクションの一つとしてサポートに回る。勿論、管楽器ではなく、ギターやヴァイブなどのリーダー楽器を加えた編成もあり。

Quintet(五重奏)。リズム・セクションとなるピアノ・トリオに、管楽器2本が加わった編成が多い。この場合は、ツーホーン・クインテットということになるが、これも日本だけで通じる呼称である。リーダーの管楽器を、もう1本の管楽器がサポートする形なので、リーダーを差し置いてサブが延々とソロを取ったりすることはご法度。JAZZは礼節を重んじる。

Sextet(六重奏)、Septet(七重奏)、Octet(八重奏)、Nonet(九重奏)、Tentet(十重奏、Dectetともいう)、Big Bandと、楽器編成数によって呼び方が変わってくるが、どの編成でもリーダーが絶対であり、リーダーのJAZZを実践するために楽器が編成される。 JAZZは個人主義音楽なのだ。

今回はThe Lester Young - Teddy Wilson Quartet / Pres and Teddy を紹介しよう。 1956年の録音で、テナーサックスのLester Young と、ピアノのTeddyWilson の2人名義のカルテット。尊敬をもって Pres の愛称で呼ばれたレスター・ヤングは、1930〜40年代が全盛期なので、これは最晩年の頃のプレイである。陽だまりの桜でも見ながら聴いて、「JAZZっていいなぁ」って思って欲しい。

(JHS-JAZZ 山田)