『ザ・シティ 金融大冒険物語』週刊エコノミスト連載中(10月21日号連載開始)
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半分眠りながらテレビを見ていると、その存在感ゆえに気付け薬代わりになる女性が二人いる。横綱審議委員会の内舘牧子氏と同志社大学の浜矩子氏だ。二人とも風貌と語り口に凄みがある。
内舘牧子氏をグーグルで検索すると、「内舘牧子 妖怪」、「内舘牧子 ヨーダ」、「内舘牧子 顔」などが検索語候補として表示される。女性に対して失礼である。あははは。ちなみに内舘氏は東北大学相撲部の監督でもある。「神事としてみた相撲」が東北大学修士課程の研究テーマだったらしい。
一方の浜矩子氏は紫色のヘアーも目を引くが、発言が手厳しい。黛信彦氏ブログの浜矩子語録によれば、11月2日のフジテレビ「報道2001」で
〜・A・〜 追加の経済対策の評価を30点としているが?
〜・Q・〜 その意図は、不合格という点数です。
何故かと言えば、何か書いてあるから10点、(その中身に)いろいろ書いてあるから10点、残りの10点はおまけみたいなもので、おまけを付けてもやっぱり合格には到達しない、こういう趣旨です。
と発言しているとのことだ。うひゃー。同志社大学の学生は答案にはともかく何かいろいろ書いておくように。
その浜氏の新連載がじつは面白い。副題は「海賊バンキングとジェントルマン資本主義」。開始から今週で4週目だから、購読はまだ間に合う。連載が長くなるようであれば、単行本として出版されるかもしれない。
マーチャントバンカー、マーケットメーカー、ブローカーなど現在も存在する金融業のいにしえの薀蓄がすばらしい。リカードが市場参加者だったことは知っていたが、リカードが利用した当時のコーヒーハウスの様子なども詳しい。金匠銀行の存在は知らなかったし、フリートストリートの由来も興味深い。
ところで今週号では、善人役であるマーチャントバンカーと悪役のブローカーを説明するのに、歌舞伎の赤塗りと白塗りを例にひいている。赤塗りは悪人、白塗りは善人と簡単に説明している。たしかに歌舞伎の化粧法「赤っ面」は悪役であるが、顔を赤く塗っているいるからといって、必ずしも悪人ではない。坂田金時など短気な武者も赤い化粧だ。いっぽう、白い化粧だからといって、必ずしも善人ではない。仁木弾正などの大悪党や公家悪は顔を白く塗る。
「週刊エコノミスト」には他にも「今井澂のマネー・ドット・カム・カム」という名物コラムがある。映画の紹介とマーケット分析を巧妙にまとめたコラムだ。社内やバーでの話題が「ビジネス」から「経済」に変わった時代に売れる雑誌になりつつあるようだ。