「ロシアとNATO:再び大きなゲームを復活させるのか?」 ノーボスチ通信社

ノーボスチの記者による論文なのだが、なんだかすごい。これまで「主体的活動国として見られていた多くの国は、従属的存在国−巨大国のゲームの中の両替用の小銭として見られるようになるだろう。」とのことだ。そして「次ぎのラウンドは、黒海艦隊の運命だけでなく東ヨーロッパ全体におけるロシアの影響の運命までも決まってしまうウクライナの領地で発生することは殆ど避けられないだろう。」と予測する。ひゃー!

http://jp.rian.ru/politics/20080902/116460086.html

『広重と歩こう 東海道五十三次』

広重と歩こう 東海道五十三次 (アートセレクション)

広重と歩こう 東海道五十三次 (アートセレクション)

2000年に出版された本書はすでに5刷である。いまだ売れ続けているらしい。豪華な128ページのフルカラー大判本だ。ページ数が2の累乗になっていることがなぜかうれしい。ちなみに英語で2の冪は power of two という。

歌川広重日米修好通商条約が締結された安政5年コレラに感染して没した。「東海道五十三次」は亡くなる25年前、広重が36才のときに出版された55枚セットの版画である。あらためて広重の浮世絵を見てみると、世界を席捲しつつあるマンガの原型であることが良くわかる。

55枚中人物が描かれていないのはたった1枚。残りの54枚には大名行列、巡礼や旅人、飛脚や駕籠かき、虚無僧や按摩、相撲取りや瞽女(ごぜ)など多様な人物がそれぞれに物語をもって登場する。広重の浮世絵はけっして単なる風景画などではない。それぞれが短編小説を読むがごとき味わいがあるのだ。

本書はそのいわば浮世絵の行間を埋める江戸風俗の解説と、現代の宿場跡地の紹介をテンポ良く構成したガイドブックである。この一冊をもって東海道を旅してみたいが、徒歩じゃ銀座までが限界のような気がするし、クルマではハンドルを持ったとたんに最高速で京都までぶっ飛ばしてしまいそうだ。なかをとって自転車でも買ってみようかと思う。