第36回俳優祭


第36回俳優祭を観てきた。「絵本太功記」と「殺陣田村」という真面目な出し物、お楽しみ模擬店、幹部勢ぞろいの3部構成だ。「絵本太功記」と「殺陣田村」の間に1/4のワインを1本、模擬店でさらに1本。ほろ酔い加減で幹部勢ぞろいを楽しんで帰って来た。模擬店では田之助丈にのみ握手をしてもらった。ほかにも握手してほしい役者はいるのだが、70%は御婦人客であり、それをかき分けて同年輩か年下の役者に必死に握手を求めることなど、どうにも抵抗があったのだ。途中、橋之助丈の御子息三兄弟がとても売り子役を楽しんでいるので、思わず歌舞伎揚げを買ってしまった。このようなイベントに難などあるわけもなく、いつまでもこのような平穏がつづきますようにと願うだけだ。

この俳優祭の模様はNHKの「芸能百花繚乱」で放送されるようだ。テレビ番組ごときをもってして伝統芸能に新規の観客を呼び込もうと妄想するあまり、昔から伝統芸能を見ていたファンを失ったという、ナゾのマイナスオーラ教養番組にとっては格好のネタなのであろう。イヤミはともかく、自宅に帰ってからほろ酔いで見たのは、なぜか以前にWOWOWで放送されていた立川志の輔の2010パルコ寄席だった。ハードディスクにためておいたのだ。最後の「中村仲蔵」でボロボロ泣いてしまった。忠臣蔵五段目斧定九郎の話だ。今日は昼から笑って、最後には泣いて、じつに良き日であった。