OISTは日本の未来を切り開くか


OISTという組織をご存じだろうか。独立行政法人沖縄科学技術研究基盤機構と沖縄科学技術大学院大学との同名略称だ。独法が先行研究施設管理を行い、大学院大学に引き継ぐことになっているらしい。

独法の初代理事長は米ソーク研究所教授のシドニー・ブレナー(ノーベル生理学・医学賞受賞者)ですでに4つの研究ユニットが先行研究を開始している。

大学の初代学長はスタンフォード大学線形加速器センター名誉所長のジョナサン・ドーファン氏に決定している。すでにドーファン氏は研究者集めを進めており、物理学者11人を含む26人がPrincipal Investigator(PI)として内定しているという。最終的に300人のPIを含む2400人の研究者を受け入れるのだという。

ドーファン氏は日本には珍しいテニュア制度(終身雇用制度)を導入し、給与水準も研究費も世界レベルに達しているのだという。シーケンサー電子顕微鏡はもちろん。卓上型シンクロトロンや沿岸海洋観測システムなどが装備されている。そのため当初の予想に反して、世界中から抜きんでた頭脳が集結するのではないかと期待されはじめたのだ。

構想そのものは元東大総長の有馬朗人が後押ししているため、この大学が将来の日本国内の大学のモデルになると考えられている。施設の設計は研究施設設計に定評のあるケネス・コーンバーグだ。

全館が完成するのは2013年。日本が誇るべき国際的かつ学際的な研究機関になっているであろう。この施設の旗を振ったのは自民党尾身幸次元科学技術沖縄北方担当大臣だった。民主党馬淵澄夫はたびたび尾身を攻撃しており、OISTにも反対の立場であるらしい。荒っぽい事業仕分けを思い出すにつけ、民主党政権の長からぬことを切に望むものだ。

(尚、この記事はnature6月30日号を参考に構成しています)

http://www.oist.jp/ja.html

http://www.nature.com/nature/journal/v474/n7353/full/474541b.html

http://www.kornberg.com/OIST.html