我が家の放射能対策

3月21日現在の我が家の放射線対策についてご紹介しておこう。

我が家は81才のおばあちゃん、56才の夫婦、24歳の娘の4人構成である。他の東京に住む家庭と同じように、特別なことはしていない。ただし、娘には一日に一回くらい「都こんぶ」1枚か、昆布の佃煮2−3枚か、ひじきの煮つけなど、なんでもよいから気休め的にヨードが入っていそうなものを食べるように指示してある。それだけである。

娘になんらかの昆布を食べるように言っている理由はヨード131という放射性物質を体内に取り込まないようにするためだ。この物質が甲状腺に溜まると、放射能を出し続けるため、甲状腺がんになることがある。しかし、実際に甲状腺がんになるのは、40才以下の人らしい。おばさん、おじさん、おばあさん、おじいさんは関係ないのである。しかし、昆布の佃煮を白いご飯に久しぶりにのせて食べると美味しいので、ここ数日はみんなで食べている。

専門家は昆布は意味がなく、必要になったときにヨード製剤を飲むべきだという。これには大いに疑問がある。ヒトは甲状腺ホルモンを毎日つくり続ける必要がある。この甲状腺ホルモンの原料がヨードなのだ。そしてヒトはヨードを食べ物から得ているのであって、けっしてヨード製剤からではない。つまり、過度にならない程度のヨードを含む食べ物を食べていれば、甲状腺はそれで満足して、わざわざ放射能をもつヨードを取り込まなくなるのである。

しかし、ヨードを含む食べ物を食べすぎると、別の病気になるらしい。それ以上に昆布の佃煮を1パックも食べると喉が渇いてしかたがない。そもそも、日本人の食生活にはヨードがたっぷり入っている。むしろ、放射能に対する無用な不安をとるほうが重要であるから、娘には「都こんぶ」でも食べておけと言っているのだ。別の言い方をすれば、昆布の佃煮などは精神安定剤なのである。

ヨードと同様に話題になっているのがセシウム134とセシウム137だ。牛乳に取り込まれると警告する評論家もいる。しかし、日本の乳牛は配合飼料を食べているのである。オーストラリアなどであれば、飼育場のまわりにある牧草を食べさせているのであろうが、日本にはそんな土地がない。輸入とうもろこしを中心に、「ふすまかす」などを加えて飼料工場で生産されているのだ。放射線物質が飼料に入り込む余地はない。牛乳に取り込まれるとしたら、牛が飲む水からであろうと推定できる。水は管理する必要がある。

オーストラリアなどの牛が食べる牧草はもちろん水で洗ったりはしていない。牛は埃やら、土やらが付いた草をバリバリと食べるのだ。それゆえにセシウムの埃の一部として食べてしまう。しかし、普通の日本人はホウレンソウなどを食べるときには水で洗う。セシウムはカルシウムなどおなじで、埃の一部であるから、水で洗うと流されてしまうのである。すこしは残留するかもしれないが、ほとんどは流されてしまうようだ。どうしても、買ったままのホウレンソウをそのままバリバリと生で食べたい人は別の対策が必要かもしれないが、そのような人は別の病気かもしれない。

現在のところ出荷停止になったホウレンソウでも、水で洗えば問題ないであろうと思われるのだが、なにしろ出荷停止になっているので食べることができない。つまり、東京では総合的に見て心配することがないということなのである。むしろ、このようなことでピリピリすることで精神的に参ってしまうのであって、そのほうが健康に悪いと思うのだ。

ともあれ、放射性物質のうち半減期の長いセシウムは環境に蓄積される。すくなくとも福島原発近くの生産農家はこれから何年も苦労を強いられるのではないかと思われる。なんとか支援する道筋をつけたいものである。