Vito Price / Swingin' the LOOP

スインギン・ザ・ループ (紙ジャケット仕様)

スインギン・ザ・ループ (紙ジャケット仕様)

  • アーティスト: ヴィト・プライス,ジョン・ハウエル,ルー・レヴィ,ビル・カルキンス,ポール・クランバーグ,ビル・ハンレイ,バレット・オハラ,フレディ・グリーン,マックス・ベネット,レモ・ビオンディ,ガス・ジョンソン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2002/11/27
  • メディア: CD
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新旧よりどりみどり。JAZZのCDなら、国内盤、輸入盤を問わず気軽にインターネットで買えてしまう。JAZZ黄金期である50年代から60年代初めに 三大レーベルからリリースされた大名盤なら、再発される都度それなりの枚数がプレスされるから、入手に困ることはないだろう。

それなりの枚数と言っても、JAZZのジャンルとしてみればということ。実績のある売れ線の大名盤でも、せいぜい数千枚程度しかプレスされない。それほどJAZZのマーケットは小さいのだ。

入手しようとしたCDがたまたま廃盤になっていたとしても、それほど焦ることはない。三大レーベルからリリースされた名盤ものなら、数年後にどうせ再発されることだろうから。中古CDでも構わないのなら、インターネットオークションで網を張っていればいい。ど定番ものなら、中古CD屋さんで買うよりも安く入手できる。

マイナーレーベルのレコードの再発CDや、メジャーレーベルでも、60年代中頃以降の低迷期にリリースされたレコードの再発CDなどは、一般的にあまり知 られていないので人気がない。再発プレスの枚数が少ない割には需要のなさが幸いし、見つかりさえすれば割と低価格で入手できるようだ。権利関係が複雑では ない限り、今後の再発の機会が全くないわけではない。

その逆に、ここ25年内、つまりCD登場以降にCDでリリースされたものや、発売当時殆ど無名だったプレイヤー、ヨーロッパの小レーベルのCDともなる と、中には結構なプレミアが付いているCDもある。

500枚程度しかプレスされなかったCDや、プレイヤー自身による自費プレスCDなど、もともとのプレス枚数が少ないもの。これらのCDが、ジャズ本などで裏名盤、新定盤などとして取り上げられてしまった途端、探し求める人が増えたせいだ。

JAZZが登場して約100年。どの時代から、どのスタイルから、JAZZに入ってきてもらって構わないのだが、プレミア=名盤とは考えないで欲しいもの。相場は、需要と供給のバランス次第。所詮は流行り廃りに左右されてしまう。

歴史が定めてきた名盤の価値は不動なのだ。名盤は、何度再発されようとオリジナルの価値は変わらないどころかかえって高まる。再発されたことによってオリ ジナル盤の相場が下がってしまったような名盤は、所詮意図的に作られたエセ盤なのだ。

今回は Vito Price / Swingin' the LOOP を紹介しよう。レーベルは ARGOで、1958年の録音。私は このレコードを買うまで Vito Price という人を知らなかった。洒落たおとぼけカバー写真に惹かれて、いわゆる「ジャケ買い」してしまったのである。聴いてみて、ついニンマリ。彼のスウィン ギーなプレイが、理屈抜きで、単純に「楽しかった」のだ。名盤という類まではいかないものの、買って損な想いはしないと思う。

(JHS-JAZZ 山田)