『東洋経済2/6号』の記事を読んで、つぶやいてみる 第3弾 

週刊 東洋経済 2010年 2/6号 [雑誌]

週刊 東洋経済 2010年 2/6号 [雑誌]

特集パート1はこのあと「日米同盟」「アメリ保守主義」「アメリカ経済」「中国経済」「EU」「北朝鮮」「ロシア」と国別に語られて「食料問題」で締めくくられる。なかなか面白い。

パート2は「激変するビジネス環境」で、そのトップ記事は「トヨタはナンバー1を維持できるか」だ。妹尾堅一郎と延岡健太郎が対論している。

妹尾はガソリン車から電気自動車に移行すると、垂直統合型の自動車産業の構造が崩れ、パソコンのように基幹部品主導で完成品が設計されるかもしれないという。部品のモジュラー化で自動車産業は激変するとする。パソコンやMPU、ネットワークなどの産業のようになるというのだ。

一方、延岡はその逆だ。意味的価値という概念を持ち出して、衣類やかばん、家具など機能的価値だけで価格が決まるものは少ないという。日本のメーカーに必要なのは、技術力を生かしながら意味的価値をどう創出していくかの経営だという。

与えられた行数が少ないとはいえ、二人とも議論がちょっと雑な印象だ。1人はパソコンとネッワーク、1人はファッションや家具と自動車単体を比較するだけだ。じつは自動車は国内的にも世界的にも膨大な中古車市場が存在している。また、保険を含む金融、燃料、メンテナンスなどの合計は自動車一台の価格を遥かに上回る。自動車はバリューチェーンの終点でもあり、始点でもあるのだ。自動車会社が金融子会社を持つ理由であり、系列ディーラーを重視する理由でもある。


特集パート2はこのあと「百貨店」「高齢者サービス」「IT」「スマートグリッド」「コンテンツ」「電機」「ケータイ」と続く。じつはこの特集のど真ん中に堀江貴文池田信夫の対談が鎮座している。異色対談とキャッチが付いているが、ぜんぜん異色ではないと思う。

ともあれ、この対談においては「寿命が長くなれば老人もこのまま逃げ切れない」「これだけ娯楽があふれていると(子育ては)コンテンツとしての相対的な魅力も下がる」など相変わらず面白い表現がでてくる。