東洋経済 12月26日-1月2日号 「ゴルフざんまい」 クラブマニア最新事情〜成毛編

片山晋呉モデルのウェッジはよく寄る。ドライバーでフェアウェイに飛ばすことすら諦めた仲間内で評判だった。マスターズに向かう片山が「僕には寄せワンしかない」と言ったという噂がその根拠だ。

とりあえずインターネットで情報集めだ。たしかにメーカーサイトには「08年度国内ツアー賞金王 リカバリー率NO.1の片山晋呉プロ使用モデル」とある。

そこでリカバリー率を調べると、パーオン以上でグリーンに乗せ、パーかそれ以上のスコアで上がることだそうだ。つまりボギーオン・ワンパットでパーが代表的なリカバリーなのだという。

ということは、片山はティーショットがパーオン距離にとどかず、寄せワンが上手いということになる。某キャスターのように、片山晋呉モデルのドライバーにうつつを抜かすよりも、はるかに安上がりでスコアアップが期待できるというわけだ。

なにしろ、ボクの場合はヘタをすると18ホールすべてがリカバリー率の対象となるのだから、リカバリー率が良くなることはあっても、悪くなることはない。これは魅力的だ。

ところで、ゴルフ仲間が付けてくれたあだ名は「バンカー名人」だ。サンドウェッジを構えるたびに、仲間たちは「よっ、バンカー名人!」と声をかける。キャディもこの人はさぞかしの名手かと見ている。

じつは使っているサンドウェッジのソールに「Bunker Meijin」とブランド名がローマ字で彫ってあるのだ。バンカー名人とはそのことだったのかと、キャディが気づいて後ろを向いて苦笑していることがある。じつは状況から脱出するためにも片山モデルを買ったのだ。

52度と58度の2本。シャフトは限定モデルのNS1050だ。ラウンド前の練習場で打ってみると、たしかにバックスピンもかかっているようで、着地してからのボールの挙動がかっこいい。ピタッと止まるのだ。

仲間にも打ってもらったのだが、自分のよりも良いと思うよという。しかし、昨日からの雨がさっき上がったばっかりだし、などと口の中でブツブツいっている。

いよいよコースデビューである。90ヤードのアプローチは小気味良くボギーオンだが、2パット。バンカー脱出も問題ないが、3パット。30ヤードのバンカー越えも安心感抜群だ。しかし、結果はまたもや3パット。

上がってみると、結局いつもとおなじスコアである。そうなのだ。パターが悪いのだ。今年の平均パット数1位は石川遼である。またもやインターネットで調べてみると、石川モデルは在庫切れだそうだ。結局、別のパターを発注することになってしまった。