Miles Davis / Kind of Blue
カインド・オブ・ブルー(レガシー・エディション)(DVD付)
- アーティスト: マイルス・デイビス
- 出版社/メーカー: SMJ(SME)(M)
- 発売日: 2009/03/18
- メディア: CD
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一見同じように溝が切られてあるレコードなのだから、MONOURAL盤とSTEREO盤の違いは聴いてみなければわからない。年代に寄るのだが、 MONOURAL盤の音源がマイクを1本しか使わずに録音されたものだと単純に理解しないで欲しい。両方式の違いは、録音方式の違いというより、レコードを聴く側の再生方式の違いと考えた方がわかりやすいだろう。
STEREO再生機器が一般家庭に普及していくと、MONOURAL盤は姿を消していくことになる。MONOURAL盤は左右2chのステレオ機器で聴くことはできるが、STEREO盤をモノ機器で聴くと片chの音しか出てこないのだから。
JAZZレコードファンは、MONOURAL盤を好むことが多い。従って、同時に両方式がリリースされたオリジナル盤でも、一般的にMONOURAL盤の相場の方が高い。MONOURAL盤の方がSTEREO盤より音がいいと断言するJAZZレコードファンは多いが、これは聴き手の感性の問題だと思う。 MONOURAL盤は、音圧が高く躍動感がある音だが、STEREO盤は臨場感がある音なので、当然STEREO盤の方が音がいいという人もいる。ADがいいか、CDがいいかという次元の問題のようなもので、どっちの方式がいいかは聴く側の好みと、レコード次第。
ステレオにMONO/STEREOの切替えスイッチがあるのであれば、MONOURAL盤はCDであろうともMONOに切り替えて聴いて欲しいし、レコードなら、MONOに切り替えることに加えてモノカートリッジを使って聴いて欲しい。新しい音の世界が拡がることだろう。私がMONOURAL盤を聴く場合は、スピーカー1本しか使わない。その方が実体感があっていいからである。私にとっては。
今回は、Miles Davis / Kind of Blue を紹介しよう。レーベルはColumbia、1959年ニューヨークでの録音。JAZZファンでなくても、マイルスの名前位は知っているだろう。モード・ジャズの頂点とも言えるこのレコードは、ジャズ史上屈指の名盤のひとつ。JAZZにあまり詳しくない人にとっては、このレコードこそがJAZZなのかもしれない。あえてこんな大名盤を紹介するのは、STEREOオリジナル盤の方がMONOURALオリジナル盤より人気がある稀有な例のひとつだから。
(JHS-JAZZ 山田)