ロンドンのフリーメイソンでショッピング

日本ではフリーメイソンといえば秘密結社であり、陰謀を巡らし、諸悪の根源のように思っている人がまだいるようだ。たしかに欧米では非常に多くの王族、政治家、軍人、経済人など、いわゆる支配層が会員だったため結果的にフリーメイソンに力があったように見えることがあった。しかし、現在のフリーメイソンはかなりオープンのようなのだ。もちろん、日本にもグランドロッジがあり、信仰を持つことなどの一定の条件を満たせば入会可能だ。ロンドンのグランドロッジに行ってみた。

場所は秘密・・・なんてことはない。地下鉄のホルボーン駅から歩いて3分のところにある。かなり大きなビルだ。

中に入ると受付があり、ビジターバッジを受け取る。博物館を見たいと言うだけでよい。団体とはいえプライベート空間であることは間違いないので、写真を撮るべきではないと思う。
とはいえ、天井くらいならいいか。

まあ、階段くらいならいいか。

うーん、廊下くらいならいいか。この奥が博物館だ。

と、さすがにここから先は写真は遠慮した。この先にはさらに博物館の受付があり、名前を書かされる。フリーメイソンの会員でもないかぎり訪れる人はほとんどいないらしい。平日の朝だからかもしれないが、ボク以外に名前を書いているのは1人だけだった。博物館とはいえロンドングランドロッジの所蔵品を展示しているだけなので、フリーメイソンの歴史や世界的な活動のあらましなどについては知ることができない。

じっさいに博物館を見ると、フリーメイソンに対して失礼だと思うのだが、ボーイスカウトライオンズクラブの壮大なものとしか思われない。ケント公も出席したロンドン大会の写真も飾られていたが、会場は数千人の会員で満杯で、真中に特殊なエプロンやバッジなどを付けて誇らしげなお爺さんたちが並んでいる。

さて、本命はショッピングだ。ショップは1階奥にある。あまりはしゃいで行くと『ダ・ヴィンチ・コード』読みすぎのおバカさんと思われるかもしれないので、「ふーん、ショップなんてあるのか、しょうがないなぁ、ちょっと見てやるか」的な感じで入ってみた。

4人の店員は出荷で大わらわだ。ネット通販で忙しいらしい。お客は当然ボクしかいないから、挨拶は「Hi!」で終わり。拍子抜けする。会員用のバッジやたすきのようなもの、手袋やベストなどは当然揃っている。儀式用の楽譜や階梯を上がるための規則などの書籍もある。

いわゆるおみあげもある。ゴルフボールやメモ帳、来年のカレンダーやポスターなど、いわゆるミュージアムショップにあるものはほとんど揃っている。どう考えても、フリーメイソン印のチョコレートを食べながら、フリーメイソン印のゴルフボールを使うような機会はないと思うので。じっさいに買ったのはまずは雑誌である。

チャリティーに関する記事が多いのだが、記事に登場している会員の年齢が高いような気がする。そこで対象がはっきりする広告を見てみよう。表2は各地のロッジ用の火災保険の広告。表3は女性会員用の旅行代理店、表4はBOSEだ。記事内の広告は補聴器、家具、コーデュロイパンツ、スーツ、靴、シャツなどだ。最も多いのは補聴器である。どうも陰謀とは無縁のような気がする。

次に買ったのはピルケースだ。もちろんフリーメイソン印付きだ。中世から続く薬草などを入れてみるのも一興だが、実際にはFRISKを入れておくつもりだ。持っていても誰にも気づかれることはないであろう。それはそれで悲しい。

そこでトランプも買った。ピカピカでいわくありげな絵柄がエンボスされている金属ケースがスゴイ。カードの絵柄も当然いわくありげすぎるほどだ。タロットカードを勘違いされてしまうこと請け合いだ。

クレジットカードを自分で端末にいれてPIN入れてお支払。もちろん、買ったものはフリーメイソン印のビニール袋に入れてくれるわけだ。

その袋の拡大写真を載せておこう。住所とURLが分かるはずだ。


日本のフリーメイソン・グランドロッジのURLは
http://japan-freemasons.org/jp/modules/wfchannel/
入会したい人はご一読を。

じつはホルボーンではサー・ジョン・ソーン美術館にこそ行きたかったのだ。なんと今日は休みだった。じつに悲しい。明日はもう帰国なのだ。