Duke Ellington and John Coltrane

Duke Ellington & John Coltrane (Reis) (Dig)

Duke Ellington & John Coltrane (Reis) (Dig)

Duke Ellington & John Coltrane [12 inch Analog]

Duke Ellington & John Coltrane [12 inch Analog]

iPodや、携帯電話で音楽を楽しんでいる人達。今や、街中や電車の中では日常の風景である。いつでもどこでも、気軽に音楽を楽しむことは、他人に迷惑をかけない限り、それはそれで結構なことだと思う。満員電車の車内での音漏れは勘弁して欲しいものだ。

私も、これまでいろいろなポータブルオーディオプレイヤーを使ってきた。初代のカセット・ウォークマンに始まり、CDウォークマン、ビデオ・ウォークマン、MDウォークマン、DATウォークマン、DVDウォークマンと、歴代のSonyのポータブルプレイヤーを使ってきたが、どのタイプも長続きしなかった。当時のレベルからすれば確かにポータブルサイズなのだが、テープやディスクを回転させる機構を省く訳にはいかないからそれなりに重いし、常にバッテリー切れを気にしなければならなかったからだ。

フラッシュメモリー型が出現し、これまでのポータブルオーディオプレイヤーへの不満が解消された。これならジーンズのポケットに突っ込んでも気にならない。2005年に購入した iPod nanoは、出張の移動中にずいぶん活躍してくれた。今はカーオーディオの1ソースとして、出番はすっかり減ってしまったが未だ現用している。

若い頃からそうなのだが、実を言うとイヤーフォンやヘッドフォンの類が苦手なのである。イヤーフォンを長時間使っていると、私の耳の形が悪いのか耳が痛くなってくる。ヘッドフォンは大きくて持ち運びに不便な上、密閉型だと耳周辺が圧迫されて嫌だし、開放型は周りの人に音が漏れてしまうことが気になってしまう。以前なら、我慢の限界が来る前にバッテリーが切れてくれたのでちょうど良かったのだが、iPodではそうはいかない。

苦手な最たる理由は、音楽が脳内で響き渡ってしまう感覚に違和感を覚えるからだ。飛行機内のビデオプログラムや、新幹線の車内でDVDを見たりする分には、視覚による刺激のせいか気にならないのだが、映像なしで音楽のみを聴く場合はどうして気になってしまう。私は、耳だけでなく、身体全体で感じるような聴き方ではないと楽しめないようだ。

だから、ビジュアルオーディオには興味がない。音楽より、映像の方に神経が集中してしまいがちになってしまって楽しめないからである。動くMonk や、Coltrane のプレイを見たくないわけではないのだが、空中に漂うJAZZのエネルギーを身体全体で味わう方がよほど楽しい。

タイのパタヤのとあるレストランのウェイティングバーで漂っていたサッチモLouis Armstrong)の歌声が、今まで聴いた中で最上のJAZZだった。どんなスピーカーを使っているのか気になって探してみたのだが、見つけることができなかった。浴びるようなJAZZの聴き方も好きだが空中に漂うようなJAZZを聴く方がもっと好きだ。

今回は、Duke Ellington and John Coltrane を紹介しよう。 レーベルはImpulse、1962年の録音。Duke Ellington,p ; John Coltrane, ts,ss ; Jimmy Garrison, Arron Bell, b ; Elvin Jones, Sam Woodyard, ds。これのレコードは全曲が1テイクしか録られなかったという。聖人が寄り添ってJAZZを昇華させたような演奏がたまらない。聴いた人みんな、JAZZっていいなぁってしみじみ思ってくれると信じたい。再発だが、レコードも新品で入手できるようだ。

(JHS-JAZZ 山田)