My Name Is Albert Ayler

My Name Is Albert Ayler

My Name Is Albert Ayler

1948年。アメリカのColumbiaレーベルから、最初の33 1/3回転の12インチLPレコードが発売。30年後の1978年が、LP/EPレコードのセールスのピーク。

1982年。LPレコードの発売から34年、レコードセールスのピークの4年後。日本のCBS Sony、EPIC SonyDENONレーベルから、最初のCDが発売され、4年後の1986年にはCDのセールスとレコードのセールスが逆転した。

17年後の1999年が、CDのセールスのピーク。CDセールスのピークは、レコードセールスのピークの2倍以上。CDによって、音楽マーケットサイズは拡大した。

1999年のWindows 98 SEのリリース前後に、数々のデジタルオーディオプレーヤーが発売されるが、この頃のデジタルオーディオプレイヤーは、音楽の持ち運びを目的とした、カセットウォークマン、CDウォークマン、MDウォークマンの後継機的なものに過ぎなかった。その後、インターネットの発展とともに、デジタルオーディオプレイヤーの音楽ソースはダウンロードファイルに移行していく。

そして、2001年。iPodiTunesが登場。ダウンロードマーケットは急速に拡大ている。来年は、CDが発売されてから28年目。約30年周期でメディアの主役が入れ替わるとすると、ダウンロードセールスがCDセールスを超えるのも時間の問題と思われる。

既にオーディオメーカーは、CDメインのコンポからデジタルオーディオプレイヤー(iPodが中心だが)メインのコンポにシフトしている。1980年代以降のレコードプレイヤーの状況のように、CDプレイヤーは今やその役目を終えようとしている。DVDドライブとPCがあれば、事足りてしまうのだから。私自身もCDプレイヤーを殆ど使っていない。CDはiTunesに落とすだけ。PCをプリアンプにつないで、BGMとして「ながら聴き」している。

私の持っている一番古いレコードは、1940年頃のシェラックSP盤なので、70年もののヴィンテージ。ノイズは入るが、素晴らしい音楽を再生してくれる。ポリカーボネートでできているCDは、一番古いものでさえ30年も経っていない。今から30年、40年後も、このレコードのように音楽を再生してくれるのか、私は確かめることができないかもしれない。

気にすることはないか。CDに記録されているのは所詮デジタル信号なのだから、最新の記録メディアで保存し続ければいいだけのことだ。今や、USBメモリー製のアルバムも発売されている。10年後にはCDの新譜なんてなくなってたりするかもしれない。レコードは・・・生き続けるでしょうけど。

今回は、My Name Is Albert Ayler を紹介しよう。レーベルはDebut。 1963年、コペンハーゲンでの録音。メンバーは、Albert Ayler, ss,ts ; Niels Brosted, p ; Niels-Henning OrstedPedersen, b ; Ronnie Gardiner, ds。ベースのPedersenは、当時16歳。彼は、JAZZがフリージャズに移行していく中での主要人物であった。というのも、7年後の1970年に 34歳で他界してしまったから。このレコードはスタンダードが中心なので、フリーは苦手と思う人にもお奨めできる大名盤。ガーシュインの「Summertime」は、いろいろなプレイヤーが演奏しているが、私はこれがベストだと思っている。学生運動、ジャズ喫茶、アイラー。1970年前後の日本の一時代、社会情勢、風俗、文化そのものか。

(JHS-JAZZ 山田)