Red Garland / Groovy

GROOVY

GROOVY

JAZZを聴くようになって20年以上になる。かと言って、JAZZしか聴かないという訳ではない。それなりに雑多、いろいろと聴いている方かもしれない。若者に「なんでそんなの知ってるんですか」と言われたりもする位だから。

「ネットで知ったに決まってんじゃん」とか答えると、なおさら不思議そうな顔をされたりすることもある。こちとらネスケ1.0時代からのネット愛用者。おじさん=PCに弱いという固定観念で人を判断するのは勘弁して欲しいものだ。おじさんも代替わりしているのである。自分の物差しでしか物事を判断できないようではまだまだ修行が足りないというもの。

流石に演歌や歌謡曲(今はJ-POPというべきなのか)は、殆ど聴かないというか、聴きたくない類のジャンルなのだが、最近は「Superfly」がお気に入りだったりする。彼女のコンサートに行こうかなと、半分マジで思っている位だ。彼女のことは、ウッドストック40周年記念コンサートのニュースで知った。とても Coolなのである。

私が中学生位の頃、モダンジャズだけは大人になっても聴かないジャンルだと思い込んでいた。どの曲を聴いても同じようにしか聴こえないし、凡庸で古臭くって、つまらない音楽にしか聴こえなかった。泡だらけで苦いビールを、なんで大人が好んで飲むのかわからない子供と一緒。でも、きっかけさえあれば、いつの間にかその旨さを覚えて味を占めるようになる。

遅かれ早かれ、いずれかの音楽ジャンルを好きになるきっかけは、人それぞれ違う筈。JAZZ喫茶や学生運動世代ではない私が、なんとなくJAZZを聴くようになったのは、おそらく自分自身の音楽遍歴のせいだろう。

ビートルズでロックに目覚め、後期のレッド・ツェッペリンやディープ・パープルなどのブリティッシュ・ハードロック、ピンク・フロイドELPキング・クリムゾンに代表されるプログレッシヴ・ロックザ・バンドやオールマン・ブラザース・バンド、リトル・フィートスティーリー・ダンなどのアメリカンロックと同時に、クルセイターズやウェザー・レポート、スタッフ、ハービー・ハンコックデイブ・グルーシンなどのフュージョン(当時はクロスオーバーと言っていた)をリアルタイムで聴いていた中学生時代。高校生になると、上記に加えて、R&Bやマーヴィン・ゲイなどのモータウンサウンドボブ・マーリー辺りまで聴くようになっていた。従兄弟の大学生に、「なんでそんなの聴いてんの?」といぶかしく思われていたマセガキだったらしい。とても大雑把だが、これが私の音楽遍歴。

学生時代は、ディスコ全盛期。バイトで稼いだ金で、夜な夜なディスコに通っていた。この辺りから、自分にとっての音楽は、自宅で聴くものではなく、ディスコで踊るためのものになる。おまけに新譜がレコードからどんどんCDに置き換わってきた頃だから、買いたいレコードはないし、CDプレイヤーを持っていないからCDを買うわけにもいかない。初めてCDプレイヤーを買ったのは、社会人になって数年後のこと。ようやく憧れのCDコンポを揃え、手持ちのレコードをみんな処分したお金で、なぜか突然クラシックのCDを買い漁るようになる。なぜクラシックに行ってしまったのか、実はよく覚えていない。オーディオ雑誌の影響かのかもしれない。そして、前にも書いたきっかけで、JAZZを聴くようになるのだが・・・。

ふと、気付いた。私がJAZZを聴くようになったのは、音楽遍歴というより、オーディオ遍歴の方が直接的な要因だったのかも。JAZZは子供の頃聴いていた音楽のROOTSでもあるからと思ってしまえば、まんざら自己分析が間違っていた訳でもないんだから、まぁ、これはこれでいいということにしよう。

とにかく、自分の音楽遍歴や青春遍歴に一番近いタイプのJAZZから聴き始めるのが、飽きずにJAZZを聴き続けられる秘訣ということである。

今回は、Red Garland / Groovy を紹介しよう。レーベルはPrestige、1956年、57年の録音。ここで紹介するのがはばかられる程、有名な大名盤。A面1曲目、CJam BluesのGroove感が溜まらない。このグイグイ、ノリノリ感こそがJAZZの醍醐味なのだ。Red Garlandは、私の大好きなピアニストの一人。11月にUniversal Music からプレスティッジ60周年記念としてこのLP含めて20タイトルが復刻される。これは、3,600円もするので、先ずは中古レコード店で日本盤の中古レコードをお買い求めあれ。たぶん半分以下で買えると思う。

(JHS-JAZZ 山田)