Marty Paich / Broadway Bit

ブロードウェイ・ビット(SHM-CD/紙ジャケットCD)

ブロードウェイ・ビット(SHM-CD/紙ジャケットCD)

「4大」なにがしという括り方がある。世界4大文明とか、四天王とか。英語でも、Big four。テニスやゴルフのグランドスラムも「4」だ。事と次第によっては、「4大」なにがしが、「3大」なにがしになったりするが、不思議なことに2大という括りはあまり聞かない。大はメジャーで、それ以外はマイナー、インディペンデントということになる。

2009年現在、音楽産業の「4大」メジャーレーベルといえば、Universal Music Group, Sony Music Entertainment, Warner Music Group, EMI Group である。Universal は、Vivendi 傘下で PolyGram と MCA の合併で誕生した企業グループ。Sony Music は、CBS/Columbia を買収した Sony of America と BMG が合併した Sony 傘下の企業グループ。Warner は、Time Warner から切り離されて投資家グループに売却され、EMI は投資ファンドのTerra Firma に買収された。

レーベルは、様々な変遷を辿りながら変貌していく。例えば、アルフレッド・ライオンによって創設された BLUE NOTE。1966年に Liberty に買収され、Libertyは1968年に United Artists に買収、United Artists は1979年に EMI に買収。その後は EMI 傘下の Capitol が音源を管理していたが、現在は EMI のジャズからクラシックまでをも網羅した「The Blue Note Label Group」のメインレーベルとなっている。

それにしても、伝統ある EMIクラシックスを BLUE NOTE と同じ括りにするとは、余りにもイージーというか節操がないというか。今となっては、レーベルは単なるブランドでしかなく、アーティストの集合体に過ぎなくなってしまったようだ。昔のレーベルは、レーベル名だけで、どんなタイプのジャズか、どんなサウンドなのかなんて簡単に想像できたのだけれど。現在の音楽産業は、かくも侘しい有様で訳がわからない。やっぱり、ビジネスとはいえアーティスティックじゃないとね。

今回は、Marty Paich / Broadway Bit を紹介しよう。1959年ハリウッドでの録音で、レーベルはWarner Bros.。このカバーは、「踊り子」の名で知られている。ウエストコーストのスウィンギーなビッグバンド・サウンドとマッチしたお洒落なデザインだ。踊り子が読んでいるのは、JAZZ誌のDown Beat。Marty Paich は、TOTO の David Paich のパパさん。

(JHS-JAZZ 山田)