Clifford Brown with Strings
- アーティスト: Clifford Brown
- 出版社/メーカー: Polygram Records
- 発売日: 1998/05/19
- メディア: CD
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市街地に入り、ダウンタウンとおぼしきエリアにかかった時、ドライバーに「Dangerous zone?」とたずねると、アフロ・アメリカンの彼はニヤリとしながら「Nice neighbors」と答えた。
ユニオンスクウェア近くの高層ホテルの部屋から見える街並みは、不思議な位どこもかしこもモノクローム。決して時差ぼけのせいで色が見えなかったわけではない。It never rains in Southern California. 青空は果てしなく澄み渡っていたのだから。
前々回で William Claxton のことを書いたので、久しぶりに彼の写真集を開いてみた。彼の写真を眺めているうちに、なぜか初めて渡米した時のことを思い出してしまった。
私が既にJAZZにどっぷりつかっていた頃。Pacific Jazz や Contemporaryレーベルで使われていた、彼のレコードカバー写真のイメージこそが、私への WestCoast に関する事前情報であり、私にとってのJAZZ そのものだった。
カラー写真では駄目。きれいな分写真自体が持つパワーが希薄なように思えてしまう。やっぱり JAZZ の写真は、モノクロ写真か2色刷りに限る。2色の陰影が、いつまで経っても褪せない時代の空気を封印しているから。
今回は、Clifford Brown with Strings を紹介しよう。1955年にEmArcyレーベルからリリースされた。Neal Heftiが率いるオーケストラをバックに、朗々たるトランペットが響き渡る。ストリングスものにはつまらないものが多いのだが、これは内容、人気ともに抜きん出ている。Brownie の愛称で親しまれた彼は、25歳で早逝した。1956年、交通事故だった。
(JHS-JAZZ 山田)