Serge Chaloff / Blue Serge

ブルー・サージ

ブルー・サージ

カバーやパッケージのイメージは、その中身である収容物のイメージと一致している方が好ましい。まぁ、これはレコードやCDに限った話ではなく、世の中の製品全てに言えることではあるけれど。

音響情報を記録したメディアであるレコードやCDは、何らかの再生機器を使用しない限りその中身を事前に確認することはできない。本なら、本屋でさわりを立ち読みしたり、中古レコードなら盤質の確認も兼ねて試聴を頼むことも出来るが、新品のレコードやCDはシールドされているので、そうは問屋が卸さない。

音楽アーティストを一つのブランドとみなすと、そのブランドの製品であるレコードやCDへの購入意欲は、そのブランドへの信頼性と期待感に左右されることになる。購入希望者は、店頭で中身を確認することができないまま、購入するかどうかを決めなくてはならない。ある意味、結構リスキーな商品ではある。

前回のレコードカバーの続きをと思って書き出したのだが、小難しい屁理屈を並べてしまって申し訳ない。ジャケ買いをお勧めしようと思って吟じ始めたらこうなってしまった。

レコードやCDは、ディスクとカバー(場合によっては、ライナーノートやブックレットが付属)で構成される総合芸術品。一方は聴覚に訴える音響芸術品だし、もう一方は視覚芸術品としてそれぞれ独立して味わうことが出来る。

出来れば音楽はインターネットからダウンロードするのではなく、レコードやCDとして手元に残して欲しいと思う。中身が当たれは一粒で2度おいしい訳だし、外れたとしても見た目が気に入って購入したのだから写真や絵を買ったと思えばいい。

今回は、Serge Chaloff / Blue Serge を紹介しよう。レーベルはCapitol。1956年の録音。彼はウェストコーストのバリトンサックスプレイヤー。タイトルのブルー・サージという曲は、デューク・エリントンのナンバーなのだが、なんと収録されていない。ジャズのイメージカラーであるBlueと、彼の名前のSergeをサージのジャケットに引っ掛けたカバー写真の洒落たセンスはほんとにCOOL。


(JHS-JAZZ 山田)