Charlie Parker with Strings

Charlie Parker With Strings: The Master Takes

Charlie Parker With Strings: The Master Takes

1945年、第2次世界大戦終結。1950年、韓国戦争(朝鮮戦争)勃発。1964年、第2次インドシナ戦争ベトナム戦争)にアメリカが介入・・・。内面に複雑な要素を孕みつつ、表面上はきれいで安定した50年代を経て、60年代後半からアメリカ社会は大きな変貌を遂げていくことになる。

旧きよきアメリカ、アメリカン・ゴールデン・エイジと称されるフィフティーズ(50's)。第 2次大戦以降の冷戦構造による局地代理戦争を他所に、この間アメリカ国内は、豊かな経済、文化社会を謳歌していた。この時代が、ビバップから、ハードバップ、ウエストコーストジャズへとモダンジャズが発展していったジャズの黄金時代である。

当時のレコードカバーデザインは、ある意味レコードの内容以上に、その時代によって生み出されたビジュアルアートだ。

ブルーノートの1500番台、4000番台前半の殆どのカバーデザインをてがけたリード・マイルス。彼の、大胆な写真のトリミングに重ねられた斬新なタイポグラフィとカラーリングを特徴とするデザインは、バウハウスのモダニウムの影響をも感じさせてくれる。

アッシュ、マーキュリー、クレフ、ノーグランのカバーデザインの多くを手がけた、デヴィット・ストーン・マーチン。大胆で、ユーモア溢れるセンスと構成力で表現された彼のイラストは、レコードを聴かずとも聴こえてくるような音感を持っているような説得力をもったデザインである。

数多くのウェストコーストジャズの1シーンを撮り続けたフォトグラファー、ウィリアム・クラクストン。彼の写真なくして、ウエストコーストジャズを語ることはできないだろう。俳優のデニス・ホッパーが「ジャズクラブに行くより彼の写真を見ているほうが興奮する」と語ったのは有名な話。

この3人のデザイン集や写真集は絶対のお薦め。持っているだけで、立派なJAZZ通になれる。

今回は、Charlie Parker with Strings を紹介しよう。1950年、ニューヨークでの録音。レーベルはMercury(Clef)。カバーデザインはデヴィット・ストーン・マーチン。 Charlie Parkerは、BIRDの愛称で親しまれ、モダンジャズの神様、モダンジャズの父と呼ばれるアルトサックスプレイヤー。ジャズファンで有名なクリント・イーストウッドは、彼の生涯を映画「バード」で描いているので是非ご一見あれ。

(JHS-JAZZ 山田)