『日経サイエンス 2009年06月号』 地球に日よけ

今月号のトップ記事は「量子もつれが相対論を脅かす」だが、これはもうボクにはとても難しい記事だった。ポピュラーサイエンス的に面白かったのは地球工学の記事「地球に日よけ」だ。温暖化対策として地球規模の日よけを作るという思考実験だ。

1番目のアイディアは成層圏に硫黄を撒くというものだ。航空機や気球で硫黄を撒くと硫酸塩の粒子ができて、これが太陽光を跳ね返すというのだ。どう考えても、その後は酸性雨が降るであろう。怖い。

2番目のアイディアは対流圏に海水ミストをスプレーするというものだ。海水スプレーを組み込んだ数百メートルの高さの塔を備えた船を建造するというものだ。これによって雲を作り出すというのだ。副作用が予測できないのがかえって怖い。

3番目のアイディアは宇宙に多数の円盤をばら撒くというものだ。ラップフィルムの1/40の薄さで1gに満たないという円盤を100万枚束ねて、ラグランジュポイント(L1)に送り出すというものだ。2000万トンにもおよぶ物質を打ち出すためには巨大レールガンが必要になる。予想費用は5兆ドルだ。経済が破綻しそうで怖い。