Eric Dolphy / Out There

Out There (Reis)

Out There (Reis)

今更お勉強という訳ではないのだが、JAZZ関連の本を図書館から借りて読んだりしている。この世界に入り込んだ頃は、解説本こそがバイブル。次に買う(買わなくちゃいけない)レコードのカバー写真とアルバムタイトルを10枚分位頭に入れて、中古店のえさ箱を漁ったものだ。

本によっては、セカンド・カバーの写真や、タイトルが変更された再発盤が載っていることがある。やっと見つけてかけてみたら、持っている盤と同じ内容で地団駄踏まされた経験は幾度となく。特にPrestigeレーベルにこういう類が多い。 商魂逞しいオーナーのBob Weinstockによる、ビジネス手法の一つ。

CDの場合は、タイトルが同じでも、ジャケ写が変わったり、紙ジャケのミニLP仕様で再発されたりすることが多い。その上、それぞれCDによって音質が全然違うから困ったものだ。ノーマルのCDフォーマットでもそうだから、これでSA-CDだったり、SHM-CDでも出されたりしていると目も当てられない。だから1982年以前にレコードでリリースされたJAZZは、あくまでレコードで聴いた方が心の平和が得られるというもの。

これまで何枚のJAZZレコードを聴いてきただろう?でも擦り切れる程聴いたレコードって一枚もない。蓄音機の頃のシェラック盤ならともかく、ビニール盤って結構しぶといし、限られた時間しかないなら、もっといろんなレコードを聴いてみたいもの。

今となっては、カバー写真だけとか、存在だけしか知らないようなレコードでも、レーベルと面子さえわかればどんな感じの内容なのか大枠の想像はつく。図書館から借りている本にチェックを書き込む訳にはいかないが、お歴々の解説本を復習してみると、意外とまだ聴いていなかったりするど定番的なレコードがあるから怖ろしい。聴いていないくせに聴いたことがあるつもりになっていたということで、いやはや、初心忘れるべからずですな。

今回紹介するのは、そんな一枚。New Jazzレーベルからリリースされた、Eric Dolphy / Out There。1960年8月の録音。彼は、この4年後ベルリンで客死した。 サルバトール・ダリ風のカバーの通りの内容で、JAZZという枠を超えて音楽を探求した彼独自の世界。それなりにJAZZに浸かってから聴いた方がいいかもしれない。

(JHS-JAZZ 山田)