LIEBHERR T282+R996


ドイツ語なのでリープヘルと発音する。この会社は建設機械のみならず、現在では鉄道車両や航空機部品なども製造している。とりわけよく知られているのは鉱山用の超大型機械やクレーンだ。写真は模型メーカーConrad社の1/50 のダンプトラックとフロントローディングショベルだ。模型とはいえダイキャスト製だから2台で11キロと重い。。

T282は世界最大のダンプで自重約200トン、最大積載量は360トンにもなる。3200馬力のエンジンで発電機を回し、タイヤに直結されている4台のモーターに電力を送る。タイヤは55/80R63。タイヤ幅1.4メートル、リム径1.6メートルということになる。運ぶのはもちろん鉄鉱石などの岩石だ。

じつは社会人になって始めて勤めた会社であるダイナックスが、このような巨大トラックのブレーキ板を作っていた。直径1.2メートルで10数キロの重さがあり、それを10枚以上組み合わせて一つのブレーキパックとして機能する。これをホイールの中に組み込むのだ。使用されるのは露天掘りの鉱山だから、マイナス40度のシベリアからプラス40度のオーストラリアで稼動しなければならない。いやはや壮大だ。

そのときに始めてみたコマツの巨大鉱山機械が忘れられなかった。これが男の仕事だと思ったものだ。残念ながらそのときのコマツのモデルは見つからなかったが、このT282を見つけて買った。それ以来ちょこちょこと1/50に限定して建設機械模型を買って眺めている。

日本にはこのようなダイキャスト製の精密な建設土木機械模型を製造しているメーカーがない。ドイツ、アメリカ、スウェーデン、スペインなどに数十社存在するのだがら不思議だ。プラモデルでもミニタリー分野では中国やチェコなどのメーカーが抜け出してきた。これから10年は続く世界的不況下で、大人向けの模型は注目産業なのだが日本の動きは鈍い。