新秋九月大歌舞伎・昼の部


また歌舞伎にいったのである。場所は昨日とおなじく新橋演舞場で、こんどは昼の部だ。だしものは「源平布引滝」と「枕獅子」。「源平布引滝」は若手歌舞伎といってよい配役だ。あいかわらず海老蔵がじつにきれいだ。本当に生身の人間なのかを確かめるために、舞台によじ登ってさわってみたくなるような場面が何度もある。


「枕獅子」は時蔵、梅枝親子と松也の舞踊。鏡獅子や連獅子などの獅子物のひとつなので、シテの時蔵は自分の背丈より長い髪のかつらをつけてぶんぶんと振り回す「毛ふり」で熱演。時蔵と同じ年生まれのぼくには絶対にあんな真似はできない。そんな筋肉や根性もない。

今日はお昼なので2000円の幕の内弁当にした。歌舞伎座にくらべると明らかに新橋演舞場のお弁当のほうが旨い。料亭「金田中」のお弁当だそうだ。

じつは10月も歌舞伎が多発する。歌舞伎座はもちろん、名古屋の御園座で顔見世、浅草寺仮設舞台で平成中村座だ。役者も忙しいであろうが、見物客も師走に向けて気ぜわしいこと至極である。師走はもちろん京都南座での顔見世で〆だ。